2巻のバルジャン
・バルジャンのお財布事情
原作小説とミュージカルでコゼットを迎えに行くまでの展開が少し違うので、原作準拠でのお話になります。
原作のバルジャンはファンティーヌが亡くなった病院で一旦はおとなしく捕まりますが、その夜のうちに留置所から脱走します。そしてその3・4日後、パリでモンフェルメイユに向かう馬車に乗ろうとしているところを捕まって徒刑場に送り消されます(2-2-2など)。
その数日の間に、バルジャンは銀行に預けていた全財産を引き出して、テナルディエの宿屋のあるモンフェルメイユの近くに隠していました。以後はそれを使って暮らしていきます(2-2-2など)。
銀の燭台についても、留置所から脱走した夜に取りに帰って持ち出します。この時に探しに来た警部殿に見つかりかけますが、一度も嘘をついたことのない正直な修道女が嘘までついて庇ってくれたので、逃げおおせます。
ちなみにこの2回目の収監で、囚人番号も変わります。9430号と呼ばれます(2-2-1)。
また、この2回目の収監から逃げ出すに際して、彼は人命救助していて海に落ちたふりをしています。新聞に死亡記事も載り、彼は世間的には死んだ身の上となります(2-2-3)。
・モントルイユのその後(2-2-1)
バルジャンことマドレーヌ市長の善政のもとに繁栄を謳歌したモントルイユですが、裁判前の懊悩でバルジャンが危惧した通りの事が起こって、繁栄は消滅してしまいます。
「大人物が倒れた時に起こる利己的な分割」が行われ、工場は閉鎖され、労働者達は散り散りになり、みんなが私欲に走るようになってしまいました。人々が生活に困るようになったので税金もきちんと納められなくなり、バルジャンが徒刑場に送り返されてから四年も経たないうちに「収税費が倍増」します。
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