スペイン語音源「プロローグ(Prólogo)」
(Look down, Prologue, Work song)
音源:「Los Miserables. Mas que un musical, una leyenda」(2011, Madrid)
(コーラス) Look down! Look down!
西「お慈悲を、お慈悲を」。神に「ここで苦しんでいる俺たちを救ってください」と乞う言葉?
「Don’t look ‘em in the eyes」に該当する西語歌詞はない。
*バルジャン・警部殿の間の二人称は互いにtú(お前)。歌い方もお互いにかなり喧嘩腰に聞こえる。
(J) Your time is up〜
西「(これは)裁判官が条件付きでお前に与えたものだ」
↓
裁判官の決定であること、警部殿は許可者(許可する職権のある人)ではないことを説明している
↓
「バルジャンの刑期が明けたこと」「バルジャンの仮釈放が始まること」は観客側の前提理解に任されている
(J) It means you get 〜
スペイン語直訳は「それは許可でしかない、許しが与えられたわけではない」
↓
「仮出獄の許可であり、罪が許されたわけではない(生きている限りお前は罪人だ)」という意味合い?
(V) I stole a loaf of bread!:リレー①
バルジャンの「Fue por robar un pan(≒英)」に対しては、警部殿は「Fue mucho más(それ以上のことだ)(英のYou robbed a house部分)」
↓
ここを含めて、「バルジャンの使った言葉を引きとって答える」を4回している西語警部殿(英語はstarveとnameの2回)。傾聴のできる厳しいけど優しい方(?)
↓
英・日の歌詞よりざっくりした意味合いだが、バルジャンの返答が英と同じく「窓ガラス壊したってだけだ!」なので、全体の意味としての不足はなさそう
(V) My sisters child ~
西「お前は苦しみを、空腹というものが何であるかを知らないんだ」。姉(妹)の話は出てこない。ここも観客の補完に任されている。
警部殿も出自的に苦しみや飢えを知っていそうだが、ここでのバルジャンは知らない。
(J) You will starve again ~ :リレー②
英日西ともstarve・飢え・hambreをリレーしている。
「法律の意味を学ばなければ(法律ときちんと向き合わなければ)、飢えは続くぞ(だから向き合え)」と警告している
↓
原作警部殿のスタンスは「こいつら(犯罪者)はもう救済の途はない、何らの善もなし得ない者だ」だが、舞台警部殿は一応は「多少の善をなせる(少なくとも悪ではない)者へと変わるための道」を示してくれている?
一方でConfrontationでは「Men like you (me) can never change」なので、やっぱり「一度犯罪を犯したものは死ぬまで犯罪者」スタンス?
そうは考えつつも一応仮出獄時には諭してくれるのが警部殿なりの優しさかもしれない。
(V) I know the meaning of ~
英語では「19年」と原作通りの刑期を言っているが、西語だと「20年」に丸めている。おそらく音数の都合(19diecinueveと20veinte))
全曲はまだ確かめていないが、少なくともsoliloquio(Valjean's soliloquy)では年数までは言ってないように見える(またきちんと読んで確認します)
(V) A slave of the law
英西とも、珍しくバルジャンが警部殿の言葉law(西ley)をリレーしている。「法律が俺から盗んだ(robó)20年」。
↓
(J) 5 años por robar:リレー③
バルジャンの言ったrobó(原型robar)をリレー。
「法律がお前から盗んだというが、盗みを働いたのはお前だ」と思い出させている。
(J) Do not forget my name.:リレー④
英西ともname(西nombre)をリレーしている。
「俺はジャベールだ、それ以外の名前ではない。決してそれ(=俺の名前?)を忘れるな」
0コメント