「対決」の時間帯(1-8-3)

一幕の「ファンティーヌの死」「対決」の場面はファンティーヌの歌詞的には明かりが消えて闇が近づいて子守唄で寝かしつける頃合い以降のようですが、照明も夜っぽい気が個人的にはしています。


2012年映画のこのあたりは、舞台同様に夜っぽい暗さに見えますね。あの映画の対決もかっこいいですよね。


ラッセルさん警部殿はサーベル捌きもかっこいいですが、『パリ歴史事典』では警察官の装備について「昼間は武器の携行が禁じられ、握りの部分が白いステッキのみを身につけていた。夜になるとサーベルの携行が許される」とあったので、帯剣なさってるってことはやっぱり夜に属する時間帯の場面なんだろうなあと思います。


一方の原作小説でのバルジャンは朝の6時前(=下方にメモしてますが、季節的に夜明けのだいぶ前の時間帯)に街に帰ってきて用事を済ませた後にファンティーヌのお見舞いにいきましたが、お見舞いの頃には「日の光が部屋にみちみちて〜」(1-8-1)という状態になってるので、原作では対決するのは明るくなってからです。


ちなみに(舞台版とは違って裁判で証言が終わるとすぐにお帰りになったので裁判所ではバルジャンと会っていない)原作警部殿は「市長は再犯で逃亡した前科者だったから捕まえて!」との要請を「朝起きようとしていた時」に受け取られました。


寝言ですが、つまり裁判所の命令をお伝えに来た特使さんは寝起きで起き抜けでもしかしたら少しおねむだったかもしれない警部殿と御面会されたってことですか、ちょっとそこ代わってください、もしくは覗き見させてください、無理ならせめて警部殿のご様子がどうだったか教えてください、と思います。


・メモ

「ファンティーヌの逮捕」=正月の初め
警部殿が免職願いに来るのが事件の6週間後、裁判はその翌日→2月半ば頃

(モントルイユと同じパ・ド・カレー県のアシュヴィル)
2月の日の入り→8:20頃
2月の日の出→17:40頃

・参考書籍
アルフレッド・フィエロ著、鹿島茂監訳『パリ歴史事典』白水社、2011年

るりのレミゼ雑記帳

V.ユゴー先生原作の「レ・ミゼラブル」の関連書籍の読書録、ミュージカルCD感想、原作小説とミュージカル日本公演を比較した雑感など。 一押しさんは警部殿です。

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