2巻の警部殿
・パリへの異動(2-5-10)
異動はざっくり言うとバルジャンのせいで、バルジャンのおかげです。理由のない事ではないですし、バルジャンを追いかけたくて警部殿が希望したのでもありません。
バルジャンはファンティーヌの死の床で捕まり、その晩に脱走しました。警察は彼が他の多くの犯罪者と同様にパリに向かったと推測し、警部殿もその助けのためにパリに呼ばれました。
これは正式な異動ではなく一時的な応援要請だったようですが、警部殿はパリで目覚しい働きをしたために、熱心さと有能さが警視総監秘書シャブイエ氏の目に留まります。このシャブイエ氏は前にも名前が出ている人なのですが、かねてから警部殿に目をかけていたので、警部殿をパリ警察に任命しました。そして警部殿は「あっぱれ役に立つ男」となりました。腕利きですね。
ちなみに原作におけるその後ですが、警部殿はパリでは、既に捕まえたバルジャンのことは忘れ仕事に勤しんでいます。新聞記事で思い出しますが、死亡記事だったのでそのままにします。どじっこさんですね。
ですがモンフェルメイユから上がってきた「幼児誘拐」の報告書を読んで疑惑を持ち、テナルディエにも話を聞きに行きます。しかし、後ろ暗いテナルディエが話したなんでもなさそうな作り話で、この時も一旦は疑いを捨てます。記憶力がいいのに詰めが甘いですね。
その後、バルジャンが「施しをする乞食」として噂になっているのを聞きとがめ、自ら乞食の格好をして顔を見ようとしたり、同じゴルボー屋敷内の空き部屋を借りて立ち聞きしようとしたり、それに感づいて逃げ出したバルジャンを待ち受けて部下たちと尾行もします。勘がいいですし実は腕利きなんです。
そしてギリギリのところまで追い詰めましたが、すんでのところで逃げられてしまいました。結局はどじっこさんですね。
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