ウィーン版CD(1988年)

(Deutsche Originalaufnahme Les Misérables, Die Musical sensation in Wien) 

◯全体 

・歌い方が全体的に大人しめ。静かに滾る感情の表現が上手い人が多い? 

・拍手とかはないがセリフとしての笑い声などは入っている。 

・CD2、バリケードでのバルジャン登場が早い。「恵みの雨」より前。  


◯CD1 

1.Prolog:飛ばし飛ばしに「バルジャンの独白」まで 

・警部殿! お声が厳しくてかっこいい!! 

・囚人たちのセリフはほぼなし。すぐにバルジャンと警部殿の会話へ。 

・警部殿はかなり高圧的に糾弾する声。バルジャンは結構大人しい? 

・釈放後の独白、基本的に大人しい。「許すまい」とかもかなり静か。 

・村や迎えられるところは飛ばして、独白から捕まった場面へ飛ぶ。 

・司教様の登場前、憲兵さんか野次馬がバカにするように笑っている声。「言い訳できるもんならしてみろよ」? 

・司教様は厳かな感じ。柔らかさは少ない? 

 

2.Am Ende vom Tag(日本語と同じ):「一日の終わりに」 

・「ボスは知らない」あたりがない。「見てみなよズボンの」から次のコーラス「一日がおわりゃ金もない」へ飛ぶ 

・ファンティーヌが言い返さずに喧嘩に突入 

・喧嘩の辺り、笑い声も入ってる 

・ファクトリーガールの糾弾がすごく憎々しげ 

・ファクトリーガールのセリフの途中の数フレーズ「ねだるのさ男が(英語でextra云々のあたり)」が急にほぼ聞こえない(私のCDの不具合かも) 

・ファンティーヌの釈明、低めで落ち着いてるようにも聞こえるが根底が怯えてる感じがする。毅然とした反論というより、憐れみを乞う感じの声。 

 

3.Ich hab’ geträumt vor langer Zeit(ずっと前に夢を見た):「夢やぶれて」 

・儚い印象。悲壮感とか追い詰められた感じとかは少ないかもしれない。 

 

4.Leichte Mädels(軽い女の子達):「ラブリィ・レイディ」「ファンティーヌの逮捕」 

・水夫の笑い声も拾ってる。 

・ラブリィレイディ達の声もなんか綺麗。 

・ペンダント買う人は出てこない。髪を買う人は居る。 

・「病気よ動けない」の人、「誰だいそこの奴は」もない。髪を売ったらコーラスへ。 

・バマタボアと喧嘩するファンティーヌ、怖がってるのを隠して強がってるような声。 

・バマタボアもあまり憎々しげな歌い方ではなく、綺麗に歌ってる。 

・警部殿!! 威厳!! かっこいい!! 

・許しを乞うファンティーヌ、気絶寸前みたいな声。 

・バルジャンの「放しなさい」があんまり強くない。諭すような声。 

・「ですが市長」が結構強い。もっと粘る時間があれば警部殿が押し勝ったかもしれない。 

・バルジャンの「この子はどうなるのか」で次の曲へ。 

 

5.Die Prüfung(Wer bin ich)(試練、私は誰だ):「裁き」 

・あんまり揺れのない歌い方に聞こえる。最初から心は決まっていそう。 

・名乗りを上げる高音が透き通っている。 

・木槌の音や「静粛に!」とかは聞こえない。 

 

6.Fantines Tod(日本語と同じ):「ファンティーヌの死」 

・ますます儚い。序盤からもう息絶えそう。

 

 7.Der doppelte Schwur(二重の誓い):「対決」 

・警部殿! 威厳がある!! かっこいい!! 

・「ついにまた出会ったな」も憎々しげではない。 

・「嘘を吐け」ちょっと怒ってるかもしれない。強い。 

・警部殿の歌声にキレがある。かっこいい。 

・後にガブローシュも歌うセリフ「Komm mit mir!」を警部殿も仰ってる。迫力ある。怖いけどかっこいい。ついていきたい。 

・「牢獄でジャベール」にお怒り感がある。バシッとした声でおっしゃってる。 

・格闘の後も苦しげではない。美しい。 

・重なり合う締めくくりは「私は私の血にかけて誓う 」。神の名にかけてとか名誉にかけてとかではなく「血」に誓うという迫力。タイトルがここに響いてくる。

・「血=生命」にかけて警部殿はバルジャンを捕まえることを誓い、果たせなくなった時に命で償いをしている。


8.In meinem Schloß(私のお城では):「雲の上のお城」 

・声が綺麗。 

・旧演出に近いのでちょっと長めの歌。「お人形もあるわ」あたりもある。 

 

9.Wen ha’m wir hier(ここに誰がいるの?):夫人が怒ってるとこ 

・コゼットを怒ってる夫人で始まる。 

・「水を汲んでこいと言っただろう」まで。 

 

10.Ich bin Herr im Haus(私は宿屋の主人です):「宿屋の主人」 

・テナルディエの歌から(入ってくる客達の声はない) 

・「ようこそ〜」とかの猫撫で声も毒々しい声も使い分けてる。面白い。 

・「会えると夢みてたプリンス」がすごく悲劇的。 

・「笑わせないでよ」あたりもヒステリックにはならずに嘆くような声。 

 

11.Der Handel(交換):「裏切りのワルツ」 

・「どうする、どう言う」から。 

・「だけどこの子」、嘘泣きしてそうな声。 

・「ありがとう、この子を〜」までのセリフと演奏で次の曲へ 

 

12.Schaut her(ここを見て):「乞食たち」 

・ガブローシュの声がしっかりしてる。イケメン声? 

・「ついてこい」が「Komm mit mir!(俺と来いよ!)」と言ってる? 日本語と英語「Follow me!」より優しいセリフ? 

・娼婦マドレーヌ辺りの三者やりとりもある 

・「築け今バリケード」と短いコーラスで次の曲へ。(テナルディエ一味の紹介とバルジャンとのいざこざはない) 

 

13.Stern(星々):「星よ」 

・警部殿! かっこいい! お声が美しい!! 

・美しい歌い方。綺麗。星がきらきらな歌声。 

・「スター、星達は」すごく優しい。綺麗。 

・「躓けば」あたりもひたすら美しく、威厳がある。 

・荘厳。かっこいい。美しい。 


14.Rot und Schwarz(赤と黒):「ABCカフェ」「赤と黒」 

・冒頭の「アンジョルラス!」はなく「仲間は準備できた」から。 

・アンジョルラスがなんか超然とした声。見えないものまで見えてそう。 

・マリウスがすごく夢見心地。 

・グランテールの声が酒焼けしてない。 

・ガブローシュが入ってくるまでが少し長い。 

・ガブローシュが指笛で注意を引く。「黙れ」らしいセリフは叫ばない。指笛でみんなが静まってから静かめに言ってる。 

・「ラマルクの死」あたりからのアンジョルラス、ますます見えちゃいけないものも見てる気がする。 


 15.Das Liet des Volkes(日本語と同じ):「民衆の歌」 

・CD全体がそうだが、みんな冷静な声に聞こえる。冷静な暴走? 

 

◯CD2 

1.Schon so lang(Rue Plumet)(すでにとても長く(待っていたのよ?)):「プリュメ街」 

・綺麗な声のコゼット。恋にときめいてる。 

・「おやめ」がかなり厳しい声。 

・「〜、神が」があまり間をおかない。 

・マリウスが有頂天。頭ぶつけても痛くなさそう。 

・エポニーヌも綺麗な声。ちょっと少年風のかっこいい女声。さすがガブローシュのお姉ちゃん。 


  2.Mein Herz ruft nach Dir(私の心があなたを呼んでいる):「心は愛に溢れて」 

・恋に夢中。二人の世界。 

・エポニーヌの嘆きが切なく綺麗な声。 


 3.Der Überfall(襲撃):「プリュメ街の襲撃」 

・「銭などないよ」らへんはまだ凄む感じではない。懇願か説得の声? 

・「悲鳴をあげるよ」にあたる叫ぶ直前はしっかり凄んでる。落ち着いた凄み方。 


4.Der Aufbruch(出発):マリウス達が隠れてバルジャンが飛び出してきたところから。コゼットとのやりとりも収録。 

・コゼットの声がバルジャンを落ち着かせるためにか、かなりゆっくりした口調。 

・コゼットの「パパ!?」が入ってない? 


5.Morgen schon(明日はもう):「One Day More」 

・警部殿! かっこいい!! 揺るぎない!! 


6.Nur für mich(私だけのために):「On my Own」 

・マリウスを思うあたり、甘すぎない優しい声で綺麗。 

・「知ってる、夢見るだけ」、静かに絶望が滲んでる。 

・「あの人、私をいらない」、激しくはないが静かに苦しんでる。 

・「一生夢見るだけさ」「幸せの世界に」も激しさはない。静かな悲しみ。 


7.Siegen oder untergeh’n(勝つか下るか):「バリケードにて」 


8.Javert auf der Barrikade(日本語と同じ):「バリケードのジャベール」 

・「奴だ!」がなんか静かな言い方。 

・警部殿! 落ち着いたお声! かっこいい! 

・「聞いたぞ作戦」、説得力ある。かっこいい。 


9.Wir Kleinen(俺たち子供達):「嘘つき!」から。 

・ガブローシュのソロのみ。「ブラボー、ガブローシュ」はない。 

・旧演出なので長い。 


10.Jean Valjean auf der Barrikade(バリケードのジャン・バルジャン):「軍服の男」から「いや、もっとだ」 


11.Der erste Angriff(最初の攻撃):第一の攻撃。主に効果音。 

・声は「撃て!」「狙撃兵だぞ!」のセリフのみ 


12.Der Regen(Eponines Tod)(雨、エポニーヌの死):「恵みの雨」 

・安らかな声のエポニーヌ。 


13.Trink mit mir(俺と飲もう):「共に飲もう」 

・「僕達の綺麗な子」あたりもしっとり綺麗。 

・グランテールの混ぜ返しが皮肉少なめに聞こえる。 

・マリウスがやけになってそうな声。「死んでもいいさ」と特攻しそう。 


14.Bring ihn heim:「彼を帰して」 

・厳か。綺麗。 


15.In der Kanalisation(下水道で):「下水道」 

・テナルディエのソロ。憎々しい。 


16.Javerts Selbstmord(日本語と同じ):「ジャベールの自殺」 

・バルジャンが立ち去ったところから。演奏があって警部殿の歌へ。 

・警部殿が揺らいでる(涙) 苦しまれてる(涙) 

・「何もない、バルジャンとジャベール」も叩きつけるような強さはなく、毅然とした歌い方。 

・美しすぎて悲しい(涙) 

・最後らへん泣きそうなお声(涙) でも乾いてる(涙) 悲しい時は泣いてください(涙) 

・ワンデイモアと同じ「Morgen」で「新しい明日(or朝)は要らない…」。そんなことおっしゃらないでください(涙)


17.Weiter(続いていく):「犠牲者たち」 

・方向性の様々な悲痛さの声。 


18.Dunkles Schweigen an den Tischen(テーブルでの暗い沈黙):「カフェ・ソング」 

・沈み込んでる声。魂までは抜けてない。 

・「新しい世界を」あたりの歌い上げ方が美しい。 

・「砦の寂しい夜明け」が静かに呟くよう。 

・「ああ友よ聞くな」、叫ぶようでもなく歌い上げてる。 


19.Jeden Tag(毎日):「マリウスとコゼット」途中から 

・コゼットの「忘れない」から 

・「お前にやろう」まで。バルジャンの告白は入っていない。 


20.Die Hochzeit(日本語と同じ):「結婚式」 

・テンポ早い気がする。 

・コーラスのみ。 


21.Bettler ans Buffet(日本語と同じ):「宴会乞食」 

・「テナール男爵と〜」のセリフから夫妻の歌へ。マリウスを揺すろうとするところは省略。 


22.Epilog: 

・「お前がいてくれて」から。バルジャン一人のところ、駆けつけたところはない。 

・コゼットの声が必死。 

・バルジャンの声、死にそうにも聞こえるけど若々しさもある。「罪深き我が身」以降と死にかけ部分があまり変わらない声音に聞こえる。


◯レコーディングキャスト

バルジャン:Reinhard Brussmann

ジャベール:Norbert Lamla

ファンティーヌ:Sona MacDonald

マリウス:Felix Martin

コゼット:Martina Dorak

エポニーヌ:Jane Comerford

テナルディエ:Franz Csencsits

テナルディエ夫人:Susanne Altschuls

アンジョルラス:Alexander Diepold

ガブローシュ:Aris Sas

リトルコゼット:Leni Tanzer

るりのレミゼ雑記帳

V.ユゴー先生原作の「レ・ミゼラブル」の関連書籍の読書録、ミュージカルCD感想、原作小説とミュージカル日本公演を比較した雑感など。 一押しさんは警部殿です。

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